町田ひろ子アカデミー、町田瑞穂氏に聞く!

LOOX LED照明を使った設計事例と住宅におけるインテリア照明のトレンド

 

今回は1978年の創立以来、40年以上に渡りインテリアコーディネーターをはじめ数多くのインテリアのプロを輩出してきた「町田ひろ子アカデミー」の町田瑞穂ドロテアさんにお話を伺います。

町田さん率いる青山スタイルは、都内の住宅を中心に数多くのインテリアデザインを手がけ、その中でハーフェレのLED照明システム「LOOX」を数多くご採用いただいています。

今回はその採用物件をご紹介いただきながら、「住宅におけるインテリア照明のトレンド」についてもお話いただきたいと思います。

 

 

“たぶん、これから特に住宅とか商業施設とかオフィスとか、そういったものの垣根がなくなっていくので、私は住まいでの過ごし方という中には、光をどう使って演出していくかということは、すごく大きな要素になってくるのかなと思います。
ですから、今まで店舗などで効果的に光を使っていたやり方が、今後は住宅の中にも、もっと入っていくのではないかなと思っています。“

 

 

こちらの物件は、1部屋を奥様のクローゼットのお部屋にしていますので、そういった意味ではただのクローゼットというよりは、まるでブティックというか、店舗に行ったような、自分の洋服なのですけれども、洋服を選ぶ楽しみというのは「お店にいったような」楽しみ方をしてもらいたいということで、一つ一つの収納部分に「LOOX」を間接照明として入れて店舗のような感覚を取り入れています。この時はライン(照明)で、すべてをやんわりと照らしていくデザインです。

 

 

――通常このような場所には丸いダウンライトもよく使われますが、今回ライン照明を採用している理由は?

 

割とクラシックなテイストの家具がありましたので、逆にこのライン照明にすることで、モダンなデザイン、ちょっとコンテンポラリーさを加えられるっていう良さがありました。あえてダウンライトではない入れ方が、そのモダンさの演出もできるかなと思っています。

それと、どんなもの(収納物)を下げて頂いても照らせるようにしたいということでは、下部に靴を置いて頂いても足元まで照らせるという良さがあります。

納めるものを限定しない良さと、色々な形で間接照明を入れて頂けるいうのは、ぜひオススメしたいところです。

やはりクローゼットの「収納家具」というところにライティングを入れるというのも、ひとつオススメしたいポイントで、洋服選びを楽しくしたいというのがあって。今日何を着ていこうかというときに、ただ目の前にあるものを選ぶとか、そういうのではなくて、今日の気分とか、そういうものを含めてこれとこれを合わせようかなっていう、その時間を楽しんでもらいたいなっていう部分では、クローゼットの収納家具にライティングを入れると、お店で本当に選んでいるでみたいな形になって。バッグと(服を)こう合わせてとか、真ん中の椅子、スツールベンチも非常に重要なアイテムで、そこにお洋服を乗せて並べて、今日のコーディネートみたいにできたり、そこに座ってみたりとか、多目的に使えるので、クローゼットとはいえ、ひとつの部屋としてもゆったり過ごしてもらえるように。割りとクローゼットとか収納家具にも色チェックもしなきゃいけないですし、機能としてはそういった意味では照明が天井照明じゃなくても家具に付けるということで選びやすくなるかなという感じがしています。

 

――この物件の光の色を教えてください。

 

こちらはどちらかというと電球色のような演出。そのムーディーな雰囲気というよりはちょっと機能的な部分と、あとは白い家具とお客様の好みもあって、シャネルとかが多いのですけど、ちょっとシャープな印象のものや割りと白がキレイに浮き立つようなものが

お好きだったりしたので、そういう意味では光の色も温白色の方がよろしいかないうことで温白色を選んでいますね。

 

――通常電球色を選びがちですが、シーンによって変えているのですか?

 

本当に色の見え方が全然変わってしまうので、やはりそこは重要なポイントかなとは思ってます。室内の照明を点けてなくても、家具の照明だけで充分に明るい。

 

――設計のポイントは?

 

いつも迷うのはこのライン照明を今は手前に入れているのですけど、「奥にするか、手前にするか?」というのがいつも悩むところです。奥にすると、洋服とか、物が入ってくると隠れてしまうので、そういった意味では今、光がしっかり照らされるっていう部分では前面(手前)の方にしています。この時は通常のライン照明というか、プロファイルに入れているんですけど、最近角度の付いたプロファイルがありますよね?なので今後はどちらかというと、角度のついた方を採用してきたいなと思っています。(手前側に入れて)角度をつけて奥を照らすという方に。

今は割りと正面に光る形になってしまうので、角度をつけてより照らしたい方向に向けたいかなと思っています。新商品が出ているのは、とっても嬉しいなと。笑笑

 

ご主人様の方のクローゼットはこういった形で、こちらは電球色にしています。どちらかというとダンディーなイメージを演出したかったので、こちらは電球色にしています。調光が出来たかもしれないですね。

実際、ここには採用していないのですけれど、ハーフェレさんはプロファイルカバーが2色ありますよね?本当はブラックの方でも良かったかなとは思っています。光の照度も少しに変わるとは聞いているんですけれども、家具の色が濃い時には、プロファイルカバーにそちらを採用して、電気が消えてる時に白いラインがいきなりパキっと入るよりは家具の一部のデザインになるという部分では、黒いプロファイルカバーを上手に使うのもあるなと思っています。

 

 

ちょうどソファーに座って頂いて、眺めるテレビボード上に (光の)演出を作ろうということでここに柔らかい光をちょっと作っています。

ここに暖炉が2つ入っていて、暖炉の光も活用して。3つの光をちょっと使ってる感じの本当に凄いシンプルなんですけれども、ここに光が入るだけで、少しドラマチックさが加わるっていう形で雰囲気が変わりますね。

 

ここが暗がりになってしまうか、ここに光が入るか入らないかで、見え方が変わってくるかなという事例です。横から見ると、ここに柔らかい光が見えてきます。

あと同じ物件で、ちょっと変わったことをされたいお客様だったのですけれど、

 

ここ、クローゼットなのです。片面を全部フェイクのグリーンで壁面いっぱい一面造作しまして。大きな額縁、ある意味巨大アート、グリーンアートみたいな考え方になっているのです。それを照らす、グリーンを照らす明かりとして、ここにずっと上下に(LOOXが)入っています。

 

 

 

これは寝室の例で、こちらもちょっと事例として(写真を公に)出せないのです。

 

そのベッドヘッドもやっぱりヘッド上というか、ヘッドボードそのものの上部に柔らかい光があることで空間を柔らかさと、少しの明かり、天井照明とかそういったものを一切付けずに柔らかい光が寝室のベッドに誘う感じの演出をしたいという部分でこういったベッドヘッドと、あとはこちらのベッドも造作していまして、やっぱり足元のところに柔らかい光があると機能としても、夜中とかに目が覚めた時に、足元だけずっと照らされていれば起きた時にも足元を危なくなくできますし、寝ている間は足元はそんなに明るくないのでそんなに眩しさもないというところでは、ちょっとこういったところにも明かりを入れるっていうのがオススメかなと思って採用して入れてます。

 

ほとんど調光タイプを選んでいます。御社のLOOXの一番好きなのは、スイッチも用意されていて、調光スイッチとかもう非常に小さい目立たないタイプのものがあるので、ベッドの枕元に、ちゃんとその調光スイッチがあるので、そこで調光して頂いて、光を明るくされたい時とかお客様に調整していただけるようにということでそちらを採用しています。

 

 

最近の事例では、こういった棚というか、そういったところにもここの棚下にライン照明を入れてと、必ずどこかに入れるのがもう当たり前のようになっていますね。

でも、そういう時のちょっとした工夫としては、棚下を少し伸ばしたりして、あまり照明がモロに見えないようにしましょうとか、そんな工夫はしています。

 

 

この棚下の造作の部分とかですね。そういった意味では造作家具屋さんも、非常にLOOXを気に入っていらっしゃって、電気屋さんがやらなくていい、扱いやすいっていうところが凄くポイントになっていて、やっぱり工場で色々簡単に設置したりとか組んだりできるというところも非常に便利だと聞いてます。

あと、LOOX LEDのテープライトは、ものによってピッチは違うかもしれないですけど、カットしてまた結線がラクというところで非常に皆さん使いやすいとおっしゃっています。

 

一番使ってるのLOOX製品は、(LED)2062と (LED)2065です。家具自体のこのテープライトを収めるところの板厚が深いか浅いかで、どちらかにするかっていう選び方をしていまして。深い時には(LED)2062。そうすると(LED)2062はピッチが1mに60個のタイプと(LED2065は)120個 ですよね。なので、深型の場合には(LED)2062でも良いですが、浅型の場合にはなるべくそのツブツブのピッチを細かくして、ツブツブの映り込みをちょっと気にしながら、セレクトしてまして。

浅型の時には、(LED)2065の方を採用してということで、この2種類をよく使ってます。

なので先程のテレビボードとか、ああいった割りと大きいものに採用する時には(LED)2062の方が多いかもしれないですね。

手元とか 床とか 床に(光が)当たったりとかすることが想定されて、床の素材が光る素材や大理石とか映り込みの時には(LED)2065のようにツブツブが極力目立たないものを選ぶようにしてます。

造作家具の図面に入れてるものは、必ず配線のことを考えなくてはいけないのでコンセントの取り出し口からルートを必ず設けてっていう部分では、こういった家具も背面にそのルートを大体40mmぐらい確保して、電源を上げていくとか。そうすることで電源を取れるので。最近ですと、どうしても家具にコンセントが必要なケースが多いので、特に今後もテレビボードとかもそうだと思うんですけれども、色んなものを充電されたいお客様も多いですし、家電系も非常に増えてるので、そういった意味ではもう電源を取ってくるっていうプロセスがあれば、必ずテープライトも取りやすくなるので、そういった形であまり難しく考えないで、ご提案頂けるんじゃないかなと思っています。

 

 

結構いるんですよね、スタンドを置きたいとか、ちょっといい時計を持ってらっしゃる方だとワインディング(巻き上げ)のものとか、そういうものをちょっと置きたいとか。充電が一番多いかもしれないですけど、そういう意味では本当にコンセント、USBとか、そういうのがマストに今なってきているのでそれと合わせて計画されるといいかなと思っています。

 

これは、一度問い合わせさせていただいたのですけど、お客様で本当にドラマチックな演出をされたいということで、それこそ光の色というか、赤とか、紫とかそういった色をシーンごとに変えたいっていう方がいて、その時に御社になかったのでAMAZONみたいなところで買わなきゃいけなくなっちゃった。(笑)

 

――これからちょうど出ます。

 

RGBと言って七色に対応しているものも出ますし、電球色から昼光色まで調色対応しているものも出ています。リリースされますのでお待ちください。

カラー調色を要望された時には、ちょっとスペックできなくて残念でしたので、それができるのは、ありがたいなっていう。皆さんの住まいの意識が変わってきて、お家の中でお仕事をするとか、すごくライフスタイルが変わっているので、本当にその住まいとか、オフィスとか、あと商業施設とか、そういったものの境がどんどんなくなっていくっていう風に思っていますので、そういった方向性の中でお家の中が、住まいというよりは住まいの中にちょっと店舗の要素を取り入れたり、そういう(光の)演出とかそういったものがより入ってくることで、お家での過ごし方とか時間とかは変わっていく、豊かな暮らしがよりできるのかなと思っています。ひとつひとつの行為をただのデイリーな動作にするのではなくて、ひとつの儀式みたいなものであったり、それぞれに意味があるというか、寝る行為も光の中で徐々に自分をデジタルデトックスじゃないですけど、そういった今までやってきたものをデトックスしながら、調光するとかそういう仕草をしながら眠っていくとか、そういうひとつひとつが、光を通して豊かな時間になるといいなと思っています。

 

 

町田ひろ子アカデミーはインテリアコーディネーターを代表とする住関連のプロを育成する学校です。カリキュラムは色々増えておりまして、ガーデンですとかマンションですとか、そういった特化した内容も色々ご用意させて頂いております。

キャリアアップですとか、キャリアチェンジ、社会人になって諦めないで大好きだったインテリアを学びたいという方にぜひオススメできればと思っております。

 

e-academyというのを始めまして、通常ですと通っていただく学校なんですけれどもe-academyではご自身の学びたいところだけを学べるようなそんなプログラムも用意しておりますので是非そちらもホームページから詳細を見ていただければと思います。

よろしくお願いいたします。

 

取材協力:町田ひろ子アカデミー青山スタイル

注※上記テキストは一部文語に修正してあります。ご了承ください。